「…聞こえてる?」

彼女はポツリ、と言うと首を傾げ僕に答えを促した。



こくり、と小さく頷くと彼女は安心した顔をして「ああ…よかった…!だって君、死にそうな顔してるんだもん」と言った。
そして、小さく微笑んだ。




『………』



答えを返そうにも返せない。 だって声が出ないのだから、口頭での意志疎通は出来ないのだ。
そしてどうしようもないことに、僕は携帯もペンも紙も持ち合わせてはいなかった。