死んだような表情をして歩く僕の姿は歩行者の目に映ったらしい。


「あの男の子、手ぶらだし死んじゃいそうな顔してるよね」 とどこからか声が聞こえてきた。




―ここはどこ、なんだろうか。



どのくらい歩いたのだろう。
ふと気が付くと僕は見たことのない通りに出ていた。


明るい街灯に照らされ立ち並ぶお店。
明るく笑う人々に。
楽しそうに話す家族に。



それらと僕は見えない境界線で断絶されているかのようだ。



このまま歩き続ければ、心の穴が埋まる時がくる… お願いだ、誰かそう言ってくれないか?