ごめんなさい。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 謝っても謝っても過去は消えない。 死んだ人は帰って来ない。 時は未来へと進んでしまう。 葬式の最中も、「大丈夫?」と声を掛けられている間も僕の心は何も感じず、瞳は何も映さない。だって目に見えるということは、僕が生きていることの証明だから。 「葉君、これからのことなんだけど」 ただ佇立する僕に親戚の人が言った。 「家では葉君は預かれないから、施設に入ってもらうことに決まったんだけどね」