だから僕は「葉君、本当にどうしたの?」という言葉に対して―
「何も分からない癖に構うじゃねえよ!お願いだからほっといてくれ!」
と自分の感情に任せたまま言い放った。
不思議なほどにその感情は僕を支配して離さなかった。
人を傷つけてしまう、なんて全く思いもしなかった。…どうして、だろう。
祖母の悲しみと失望に溢れた顔と、立ち去る足音が脳裏から消えないというのに。
祖母の死が訪れるのは次の日。
二人の死が一度に訪れるなんて、絶対にありえない。嘘に決まってる。
そんなこと、ありえてはいけない。絶対にいけないんだ。

