実の兄である頼朝に居場所を奪われてから、もうどれくらいたっただろうか。 日増しに状況は悪化していくばかり。 あとどれくらい生きていくことが出来るのか。 数日先か数年か。 そんな目の前の明日すら確信を持てない日々が続いていた。 そんな中でもただ一つ確かだと言えることは、義経と郷御前の心が離れていないということだけ。 嘘は吐かないとでも言うように向けられた瞳と声色に、郷御前はその言葉が義経の本気なのだと確信せざるを得ない。 そしてその事実に今にも泣き出しそうに顔を歪めた。