だけどそんなところ、この小さな日本ってやつには無かった。 少なくとも、ここはそこまで都会でもない。 だけど静かな場所は無い。 世界って、広いんでしょ? けどそのどこかには大翔がいる。 私には待つことくらいしかできないのかな。 探すことは…できないのかな。 どうしても会いたい。 話がしたい。 せめて声だけでも聞きたい。 とにかく一瞬でもいいから大翔の存在を感じたい。 ―あたし、 探さなきゃ。 大翔を、 探さなきゃ― ―世界のどこかに 愛する人がいるなら、 見つからない訳が無い。