そうしたら前澤は、
涙を流してありがとう、といった。


そして前澤を送る時、
優実がいた。


たぶん俺、焦っている。
圭二に優実とられるんじゃないかって。

彼氏でもないこの俺が。



「…はぁ」



俺は小さくため息をついて
自分の部屋へと戻った。


そしてスマホを取り、
優実の連絡先を開く。



「…なんて言えばいいんだ」