俺はため息をついて
家へと戻った。
「大和、さっきの子誰なの~?」
さっきの子、というのはたぶん前澤だろう。
母さんは、前澤が来た時は何も言わなかったけど
今聞いてきた。
「…別に、クラスのやつ」
「でもあんた、女の子連れてきたの初めてじゃない?」
「…優実だってあるし」
「あぁ、優実ちゃんは別としてよ!
優実ちゃん、最近あまり見ないわね~」
家お隣なのに、っていいながら
ご飯の支度を進める母さん。
確かに優実以外の女を連れて来たのは初めて。
でも前澤は、話聞いてほしいといったからで。
すごく真剣な顔をしていたから、
ファミレスとかじゃ悪いと思って
家に連れてきた。

