初恋をキミと。



「探すよ」

「えっ…、いいよ」

「なんで?困るだろ」

「…っいいっていってんの!」



急に大声をあげた優実。
そんな優実をみるのは、
16年一緒に居て初めてで。


俺は優実をみて固まってしまった。


「…ご、ごめんねっ」

「……」



優実は、ごめんね、と言い残すと
自分の家へと入って行った。



…なに。
俺、気に障ることした?


確かに優実が見てる前で前澤を抱きしめた。
でも優実は俺のことなんとも思っていないだろうし、
あの光景を見せたからって
どうにかなることじゃないのに。


…あぁ、俺なにやってんだろ。