「…優実」


あたしの前に、大和がいた。
…ゆ、優実、って
久々に呼んでもらった…


でも、そんな喜べる場合じゃなくて。
だって、目の前には
眉間にしわを寄せた大和がいたから。


クラスのみんなの盛り上がりも
静かになる。


「…帰るぞ」

「え、ちょっ…」


大和はそういって、
あたしのカバンを持って
もう1本の腕であたしの腕を引っ張った。


急な出来事で、頭がついて行かない。


「大和…?」

「……」

「…ねぇってば」