───ヒュー………バーン! ───ヒュルルルル………バーン! 「わぁ……きれいだね……」 島の漆黒の空を明るく彩るのは、次々に打ち上げられていく色とりどりの花火たち。 なつとあおちゃんは、屋台から少し離れた錆びれたベンチの上で、ふたり並んで花火を眺めていた。 「………花火ってさ、すごいよね」 ふと、あおちゃんがそんなことを呟いた。 「急にどうしたの?」 「いや、なんかさ。花火を見てたら、俺の存在が、“高岡碧”っていう人間が、小さく思えてくる」 ……あおちゃんはなにを言いたいんだろう。