夏の幽霊





話し声が途切れた



さっきまで耳に響いていた賑やかな話し声が目を閉じた瞬間全く聞こえなくなった


耳を澄ますと、小鳥の声


不思議に思って目を開けると、そこは白い建物の中ではなく、森の中だった



「え、なんで?」



僕は辺りを見渡す



すると、ここはチヨに出会う少し前にまだキツネの姿だった白蓮に出会った場所だった



つまり、森の入り口


よく見たら、辺りは一面夕日色に染まっている


(おかしいな、僕が森に入って、かなり時間がたっているはずなのに)



僕はほとんど無意識で、もう一度森の中に入った


しかし、いくら歩いても、あの白くて青い建物にはたどり着けなかった



辺りが暗くなってきて、おばあちゃんが心配しているかもしれないということを思い出した


心に引っかかりを感じながら、家路を急ぐ、きっと、あのキツネにつままれたのだろう


よくある話だ


そう自分に言い聞かせた。



あのチヨも睡蓮も白蓮も紅蓮も全部幻だったのだろうか



そう、思うことにしたのだった