"好き"



「ーーーじゃ、そろそろ俺帰るわ」


30分くらいで大橋が言った。


やっとか。と俺はちょっと気が緩む。



この30分間、猫が外れたことに焦りまくったかなはほぼ喋らず、俺と大橋が必死に話題を繋いだ。


間を繋ぐ必要はなかったのかもしれないけど、大橋が来てすぐにUターンで帰るのは、なかなか双方共に虚しいじゃないか。



「あっ、じゃあ玄関まで行くよ」


かなががたりと音を立てて立ち上がる。


やっぱり少しパニックを起こしているようだ。

いつもなら、椅子から転げ落ちる時以外、椅子関係の音は出さないのに。




後から、すっごく荒れるんだろうなぁ。




十中八九それに付き合うことになる俺は、カフェインの必要を覚えた。