"好き"



「かなは、何で天ノ川さんと付き合ってるんだ?」


大橋がかなに聞く。

どさくさに紛れて俺と同じ呼び方しないで欲しい。


「好きだから」なんていう理由を言って欲しいが……まぁ、まず無理だな。


「それは…琉が告白してくれたし…」


案の定、かなはしどろもどろだ。


おいっ!それ大橋に弱みを見せていることだと気付いてるか!?


俺が心の中でそう叫んだ時、かなは口をハッと抑えた。


自分で気づいたらしい。




「じゃ、かな。
俺が付き合って、って言ったら付き合うのか?」


時はもうすでに遅く、大橋はいきいきと突っ込んで聞いた。


かなは何も言わない。


「かなが嫌がってるだろ。やめろよ」


「あ……ごめん、八草。ちょっと気になって…」


わざわざそんなこと気にすんなよ。

ほんと、嫌なやつ。