その時、誰かが手を挙げる姿が視界に入った。
一番廊下側の席……。
え?
あの人だ……。
一気に私の手が震え始めた。

「前期がいい?後期がいい?」
「前期。」
彼は、確かに、ボソッとだけどそういった。
ウソ……。一緒になれた……。

黒板に書かれた名前は゛菅野゛だった。
菅野君っていうんだ。