「えぇー、行っちゃうのー?」 「あ、は、はいっ」 「んー、でもなぁ。蓮くんどーするー?」 すると、扉に寄りかかっていた神埼先輩が、 橘さんに近づいた。 「かかか、神埼先輩!」 橘さん、顔真っ赤。 「謝らねえの」 「えっと、あの、ごめんなさいっ」 神埼先輩に向かい、橘さんは頭を深々と下げた。 「俺にじゃねえ。そいつだよ」 私を指差し、橘さんを方向転換させ、私の方まで押した。