そっと口に出して君の名前を呟いてみる。 ずきり。 心臓が疼(うず)いた。 (いたい…) あぁ、懐かしいな。と思い出す。もちろん小学生の頃の自分を、だ。 「萌那」 俺にはお前が必要らしい。 だから、誰かにお前を渡す気は、ない。