『闇の雨』を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 別の小説サイトにて公開していた作品を移転させた本作。実は一番初めの連載時、完結までに何と一年も要してしまったた作品です。

 "うつ病"をテーマに、書いてきましたが、最終的に五年の闘病の内、一番辛くて大変だった最初の二年半に、スポットを当てました。

 優月が生まれ、快が自分自身を"父親"と自覚した後、育児が忙しかったのか、彼の症状は急速に改善され、小さな"波"はあるものの、寝込む事も少なくなり、真面目に通院、服用を続け、最初に体調をくずしてからちょうど五年目の春に、服用も終わり、それ以降は通院もせず、七年半経過した現在も、元気に育児と仕事を頑張っています。

 義理の両親は"優月"が快の"うつ"をどこかに消し去ってくれたのだと、今でも言っていますし、永月自身も、そう信じています。

 実体験を基にしたフィクションと表紙に書いている通り、設定の殆どがフィクションですが、快の症状や行動、言動、それに関わる耕助たちの言動は殆どがノンフィクションです。

 昨今、うつ病の患者数は加速的に増加していると言われます。そして、うつ病の症状やその流れは、千差万別で、個人により違ってきます。

 "怠け病"とよく言われますが、決してそうではありません。本当に辛いのです。

 作中にできる限り判りやすく、症状やうつ病に関する説明を、永月の知る限りですが、認めています。最初は興味本位でも構わないので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 あなたの隣の人はうつ病かもしれません。あなたもある日突然、うつ病になるかもしれません。

 どうか、知ってください。この病気の事。そして身近にうつ病の患者様がおられましたら、優しく暖かく、見守ってあげてください。

 最後に、友人創作家・海野かもめさんの著作『それでも、愛していいですか。』(ベリカにて公開中)にて、本作を参考に書かれている部分があります。よろしければぜひ。ご一読ください、

 本当に長い間、ありがとうございました。