「やぁ!」
英明が懐かしそうに声をかけると、三人の娘たちが一斉に両親の元へと駆け出した。
「二人共、元気そうだね!」
「お久し振りです!」
駆けて来た娘たちを抱き留めながら、瀬奈がそう大きく返事する。
「いつ、こちらにいらしたんですか?」
一番下の華月を抱き上げ、しっかりとした声で快も尋ねてきた。
――元気そうで何より。
桜が咲き乱れる、淡く、ピンク色に染まった公園を、きらきらと太陽が照らし、樹々の葉が、まるで闇を優しく溶かすように木漏れ日を作っている。
――よかった、幸せそうで。
きらきらと輝くピンクと緑の美しい輝きの中、ゆっくり近付いて来る五人の姿。その幸福そうな姿を見つめながら、英明はまた、嬉しそうに目を細めた。