「私・・・・
お母さんが許してくれるなら・・・
大輔と一緒にいたい」


「・・・・そう。」


少し泣きそうな顔を微笑み、

私の前に紙とペンを差し出し


「保証人は、お母さんがなるから
本人の欄は書きなさい」


初めて見る、

大輔の字、苗字、住所・・・・

そして、初めて見る

婚姻届という紙。

すぐ破けてしまいそうな紙に

ゆっくり、震える手で記入をすると


保証人の欄にお母さんの名前と印鑑が入り、


一通りの記入が、ようやく終わった。


と、同時に・・・・


「母さん、そんな簡単に
結婚とかいいのかよ!?
こいつまだ17じゃん。
若気の至りとかで離婚したら
バツ一になんだよ?」


お兄ちゃんが
納得いかない様子で

お母さんに怒りをぶつけている姿に

私も、お母さんも

ただ、驚いている。


「同棲なら同棲でいいじゃん?
わざわざ戸籍に傷つける必要あるわけ?」


「そういう順序が違うことは
してほしくないの。
お母さん、昔から言ってるじゃない・・」


「じゃあ、俺が同棲したい相手いても
結婚しないといけないわけ?」


「雄一郎は男だから
好きにしなさい」


「え?何で、お兄ちゃんはいいの?」


お母さん、矛盾してるじゃん・・・