「つーか、やり逃げって
俺、番号教えてんじゃん?」


それも・・・そうだけど・・・



言い返せない私は

ただ、男の言葉1つ1つに

完全に丸め込まれてるわけで・・・



「電話してこねぇの
お前じゃねぇの?」



ごもっともです・・・・


・・・降参です。


私が間違ってました。


男の言い分は正しい・・・


認めたくないけれど、

私自身の勝手な思い込みである事は、

男の事を信用してなかったという事は、

自分自身でよく分かっている。



「んで?どうすんの?」


「どうするって・・・?」


「どっちが悪かった?」


「私・・・かもしれないです・・」


「悪かった時は?」


そう言いながら

向かい合うように

目の前で立ち止まり

見下ろすように見ている。



「・・・ごめんなさい」


「よし、よくできた。」


そう、私の頭に手を乗せると

さっきまでの不機嫌さはどこに消え去ったのか

普通の表情と口調に戻っていた。