「ね?めちゃかっこいい」


そりゃ・・・美形を見ると
自然と顔がほころんで
うれしくなってしまうというのは

誰だって同じなわけで・・・


「きゃー
優奈の後に座ったよ。
ね、ね、どうイケメンの雰囲気
背後から感じる?」


身を乗り出すように
私に耳打ちを
ハイテンションでする亜子。


「雰囲気は分かんないけど
何か香水の匂いはするよ」


「えー、ここまで匂いこないー・・
私が優奈の方座れば良かったなぁ」


そう残念そうに言う亜子には申し訳ないけれど・・・


私は、顔を見られない分

亜子の席じゃなくて

良かったと・・・


こんな状況で

本当最悪だけど・・・


背中合わせという事だけが

今は唯一の救いでもある。