「優奈?ごはんは?」


「いらないっ」


お母さんと顔を合わせる間もなく
そのまま
一気に2階へと駆け上がり

勢い良くベッドに倒れこんだ。


智也には振られ、

初対面の男に体を許し、

置いてけぼりをくらい、

援交女子と誤解され、


史上最強にツイてない日決定だ。


ほんと、もう・・・




頭ん中、ぐちゃぐちゃで

涙が出そうだ。



コンコン


ドアをノックすると同時に


「何かあったんじゃないかって
母さんが心配してるぞ。」


少し開いたドアの隙間から

お兄ちゃんが顔を出している。



「別に、何もない・・・
頭痛いだけ・・・」


「ならいいけど・・・
あんま心配させるなよ?」


「分かってる・・・」


女手一つで
私とお兄ちゃんを育ててくれてるからこそ

余計な心配なんてかけたらいけない事くらい

バカな私だって

分かってる。

だから、顔合わせれないんじゃんか・・・

こんな顔見せたら
絶対、何かあったって
気づかれるに決まってるんだから・・・