「・・いつ帰ってくるの?」


「んー・・・夜中になるか・・
面倒だったら、そんまま泊まるか・・
わかんね」


・・引き止めていい?

嫌われる?面倒な女だと思われる?


・・・私、少しでも愛されてるのかな?



「優奈・・・?」


「行かないでって言ったら・・」


「は・・・?」


思いがけない言葉だったのか
唖然としながら
私の顔を見ている。



「行かないでって言ったら
どうする・・?」


ヤバイ。

泣きそう。

声が震えてる。



「あー・・・・」


そう言いながら

困ったような表情で

うつむきながら

頭を掻いている。



「ウソだよ、冗談。
本気にした?ふふふ」


「な、なんだ・・・
ビックリさせんなよ」


「ごめんごめん、
寒いから・・・
風邪ひかないようにね」


「あぁ、じゃあな」


「うん、ばいばい」

出かける大輔の背中を見ながら

玄関まで見送り、

「じゃあな」

「うん、いってらっしゃい」

笑顔で手を振り、

送り出した。

そして、

玄関の扉が閉まった音が廊下に響いた瞬間

笑顔が、泣き顔へと変わり

そのまま廊下で泣き崩れた。