最低男との結婚

ヤバい、この声・・・

顔を見上げる勇気がなく

ただ、先生の後で
じっと、うつむいてしまっている。


「木崎、どうせ暇だろ?」


「え、あ・・・はい・・」


「いいよ、何分くらいかかる?」


「んー・・・すぐできますよ」


「そっか、じゃあ
ここで待つわ」


「どぞ」


「木崎?どうした?」


「どうもしてないです。
私、あっちに行っていいですか?」


「あっち?
志保んとこ?」


頷くと、


「ダメ、ここいろ」


そう言うと

私の体を引き寄せるように
背中を押した。


「へぇ・・・?
なんだ、やっぱ
男いんじゃん?」


その言葉に思わず
顔を上げると


・・・やっぱり

そこにいたのは

まぎれもなく

金髪で、ラフな格好の

いつもの大輔で・・・。