最低男との結婚

電車に乗る頃には

もう、すっかり辺りは暗くなり始め

駅には学生よりも会社帰りの

スーツ姿の人達が目立つ時間になっていた。


電車に乗り込むと、

駅構内の人混みのわりには

割と空いていて

すんなりと座席に座れるという事に

ちょっとだけうれしく思ってしまう

単純な自分がいる。



「よォ、不良学生」


「うわ・・・出た・・」


「素晴らしい先生に
ひでぇ言い草だな。」


そう言いながら

私の隣へと座るこの現実は

やはり、うれしくない・・・。


「何だ、今帰りか?」


「えぇ、まぁ・・・」


「木崎ってよ・・・」


私の顔を覗きこむように

見る真剣な表情の先生。


「何ですか?」


「髪、なげぇけど
邪魔じゃねぇの?」


「は・・・?」


そう言いながら

私の髪を手で掬い上げた。