「ゆ、許さへんって言ったやろっっ」 それを隠すように、 今度は坂口さんの鼻をつまむ。 「んーっっ」 抵抗する坂口さん。 だけど揉み合っているうちに、 「はなし………きゃっ」 「!」 バランスを崩して、覆い被さるように坂口さんの上に倒れ込んでしまった。 「………………」 相手の息遣いを感じるほどの距離。 驚きと胸の高鳴りに、何も言葉が出ない。 ………っ 「ごっ…、ゴメン! すぐ退くから!!」 緊張で息苦しくなってきた俺は、慌てて目を逸らし坂口さんから離れた。