「…っっ」 「あっ…待って!」 逃げるように走り出す坂口さん。 それを必死に追いかける。 「っ…逃げんとって…!」 坂口さんは止まることなく走り続ける。 足、速すぎやろっ… 前方に見えてきた踏切。 カンカンカンカン… 遮断棒が降りはじめる。 「アカンっっ…危ない!」 坂口さんは、遮断棒が降り切るギリギリのところで踏切を渡りきった。