空は青、秋らしい晴天が広がっている。
隣には愛しい彼が居て、幸せそうに微笑んでいる。

“これから何しようか?”
先を行く彼が、楽しそうに振り返る。

“早くおいでよ”
歩き疲れた私の手を、彼はそっと握る。

“今日も楽しかったね”
“うん、楽しかった”
そんなたわいもない会話をしながら、夕暮れの道を歩く。

これからもずっと、こんな幸せが続くと信じて疑わなかった。


あの時までは。



耳をつんざく様な衝撃音とブレーキの音。

血相を変えて私を突き飛ばす彼。

誰かが叫び、彼は居なくなった。

泣き叫び、どうしてなのかと問うも、返事なんて返ってこなかった。


隣に君が居ないことが、こんなにも辛いとは思わなかった。



だから“僕”は誓った。



――もう、恋なんかしない。
好きになんかならない。