~柑菜side~


帰り道。


暗い道をあたし達は歩いていた。


隣を歩く萩尾くんを横眼で見た。




――――よかった。


ちゃんと笑ってくれて。


大丈夫。萩尾くんは、心を失ってなんかない。


それに、あたしの半分をあげたから。


きっと大丈夫。




「――――なぁ」


急に、ずっと黙っていた萩尾くんが、口を開いた。