「やぁ、久しぶり。二人とも」
三分とたたずにのび太としずかちゃんは職員玄関に顔を出した。
のび太は相変わらずの丸眼鏡。
さすがはのび太だわ。
あの眼鏡はどこに売っているのだろう…と、三年間のび太と顔を合わせる度に思ったものだ。
今でも思う。
「久しぶり、のび太」
その私たちの言葉にのび太は苦笑した。
本名で呼ばれることはもう諦めたらしい。
第一、私のび太の本名覚えてないわ。
「しずかちゃんにはもうバレてるみたいだけど…」
「しずかちゃん、のび太、結婚おめでとう!」
私と弥生は、打ち合わせ通りの言葉とタイミングでお祝いの言葉を述べた。
花束を差し出して。
のび太は目をまん丸にして驚いた。
しずかちゃんは頬を赤らめて微笑んでいる。
やがてのび太も顔を赤らめて、微笑んで花束を受け取った。
「…………のび太、泣いてるの?」
私がからかい気味にそう言うと
「だってっ…まさか、こんな……っぅぅ…
教師やっててよかったぁぁぁ………」
「大袈裟だよ」
弥生の言葉にしずかちゃんが首を振った。
「そんなことないわ……本当に嬉しい。……本当に…私も教師やってて良かったわ」
そう言ったしずかちゃんの目にも涙があった。
「もぅ、あなたが泣くから私まで……」
「ご、めん……っ…」
そんな会話をする二人はとてもお似合いだった。
二人とも、いつまでも幸せにね…。

