「ちゃんと鍵しめるんだよ」 去りぎわに高松さんはそう言って、私の手を握りしめた。 握手? 「プレゼント」 高松さんにいわれて手を広げると、そこにはチョコレート。 「泣いたあとは甘いものとるといいらしいから。じゃあ。」 そして彼はヒラヒラと手をふって去っていった。 なんだか第一印象のあのぼさぼさした高松さんと、今日は違いすぎたな。 スーツの似合う大人。 高松さん。