「それよりさ。こっち来なよ」

「え?」



そうですか。と相槌を打った私に、さっきと同じ様においでおいで。をする主任

なんだか犬になった気分




でも、気になる

なんだろ?




不思議に思いながら、ゆっくりと足を大西主任の元へと向ける

すると、悪戯っ子の様に笑う主任の後ろに見えたものに、思わず目を見開いた





「き..綺麗」




バルコニーの先に広がっていたのは、満開に咲き誇っていた桜だった

雲一つない青空の下、太陽の光を吸い込んで薄ピンクに咲く満開の桜

並木道に沿って、綺麗に咲いていた



あまりの綺麗さに大口を開けている私を見て、小さく笑った大西主任

そして





「俺の秘密の場所」




そう言った