「また春が来ましたね~。今度、お団子食べに行きましょうよ」
「瀬川は相変らず花より団子だな」
「だってっ!! 去年、主任に連れて行ってもらったお団子屋さん、すっごく美味しかったんですもんっ」
俺の言葉を聞いて、頬を赤らめた瀬川が俺を見上げる
真っ直ぐな瞳に映るのは、自分ただ1人
それが、無性に嬉しくて
思わず笑みが零れた
「――どこにでも、連れて行ってやるよ」
「本当ですかっ」
「今度、うまいピザの店でも行くか」
「いいですね!! 桜とピザ!!」
太陽に負けないくらいの笑顔で微笑む瀬川
ポカポカと温かい日差しの中
目の前に広がる桜を背中に、彼女をギュッと抱きしめた
じんわりと温かい体温が
俺の胸に広がる



