太陽と月



今まで悠理さんを追って、ただ我武者羅に歩いてきた



それでも、必死に走ってきた道は突然光を失って

真っ暗になった



それでも、諦める事なんて

忘れる事なんて、できなかった



あんなにも、胸を焦がす程

あんなにも、泣ける程

愛した人は、いなかったから―――



苦しかった

辛かった



心から愛した人だったから、その存在が消えた瞬間

狂ってしまいそうだった



でも、始めはそれでもいいと思った

忘れるくらいなら、想い続けていたい



真っ暗で、先の見えない道の中

ただ1人佇む俺は、きっと滑稽だっただろう



苦しくて苦しくて

消えてしまいたかった日もあった

ぶつけようのない想いが暴走して、壊れてしまいそうな日もあった



それでも、人は生きていく

知らず知らずに、光のある道の方へ



意図もせずに交わりだした、誰かとの道

ある日突然灯った明かり


必死に追いかけた先にいたのは




――瀬川の笑顔だった