太陽と月


どんどん大きくなる気持ちが

俺の凍ってしまった心を溶かしていく




――誰にも渡したくないと思った



あの、どこか不安な顔も

泣き出しそうな顔も

拗ねた顔も

笑った顔も



全部、俺だけに見せて欲しいと思った





そして、俺は心に決めた



もう誰にも、譲ったりはしないと―――




莉奈さんが言ったように、自分の『幸せ』というものに、手を伸ばしてみようと

そう思った





そして、手を伸ばした先にいたのは

眩しい程の笑顔で笑う



瀬川だった