太陽と月




「大西主任ですか...いえ、見てません」




一度辺りを見渡してから、部長と同じ様に首を傾げてみた

すると、残念な事に何故か筋肉痛の首が、ミシッと音を立てる

一瞬痛みに涙が出そうになるが、堪えた




「――あ! そういえば、備品の在庫確認をすると言って事務所から出て行ったっきり、帰ってきていないです」




思案する飯島部長に思い出した様にそう言うと、みるみる内に眉間に皺を寄せ始めた

あぁ...綺麗な顔が台無しだ




「ちっ、大西の奴、目を離すとすぐこれだわ」




そして聞こえてきたのは、なんとも顔に似合わない恐ろしい言葉


なんでも飯島部長。こんな綺麗な顔してカナリの男前な性格らしい

若干オッサン寄りだと言う噂もチラホラ



そして、先輩達に飲み会に誘われたら、ウマい事断りなさいと。謎の教えも貰った




「あ..あの。探してきましょうか?」

「本当? 助かるわ~瀬川ちゃん。見つけたら、アイツの股間に蹴り入れといて」

「――」

「あ、後、今度一緒に飲みに行こうね~」

「え...あの」

「じゃぁ、よろしく~」




先輩達の教えは

活かされなかったようです