プランナー達で買ったお祝いを持って、彼女のいる病院へと向かう
幸せに満ちた空間
一歩一歩近づく度に、胸が締め付けられる
それでも、この胸の痛みが何なのか分からない
久しぶりに彼女に会える喜びなのか
それとも―――
「来てくれて、ありがとう」
久しぶりに聞いた、彼女の声は
以前と変わらず俺の胸に響いた
「大西くんも、ありがとう」
「おめでとうございます、悠理さん」
交わした一言が、狂ってしまいそうだった心を癒す
乾いていた心が一気に潤って
嬉しくて嬉しくて、たまらなく思う
そして、笑顔の彼女の隣に眠る天使達に目をやった
「春斗と、悠菜っていうの」
天使の様な寝顔で眠る2人
彼女とあの人の、愛の結晶
2人の愛を、目の当たりにする
幸せそうに微笑む彼女を見て、息が詰まる
込み上げる何かが、胸に広がって
息もできなくなる
俺ではない人との
子供
そんな現実が
目の前に広がっている



