「始めから何でもできるわけない。焦らなくていいから、少しづつできる事を増やしていこう」
私の手に出来上がった薔薇のナフキンを乗せて、テーブルに頬杖をついて、そう言う大西主任
なんとも大人な雰囲気を出す主任を、尊敬の眼差しで見つめる
「今日から独り立ちするまで、俺が基本教育するから、よろしくね」
「はっはい!!」
「とりあえず、3週間後に俺の持ち物件の結婚式があるから、一緒に行動して流れを掴んでみようか」
「私、結婚式見るの初めてです」
「本当? それじゃぁ、きっと感動するよ」
そう言って、おもむろに立ち上がって少し歩いてから振り返った大西主任
ん? と思って首を傾げる
すると、急に悪戯っ子の様に微笑みだした主任
何か企んでる様な、そんな表情
そして
「それまで、みっちり教え込むから、覚悟して」
そう言った



