以前なら、簡単に飯に誘ったりできた
それでも、そんな事ももうできない
彼女には家族があって
そして、お腹には赤ちゃんがいる
「諦めろって――・・・俺」
小さく呟いた言葉は
何故か遠くの方で聞こえる
会いたいのに会えない
まだ、こんなにも好きなのに
想いは今も、あの人で溢れているのに
一番に愛さなくていいから
お願いだから、側にいてほしい
だけど、追えば追う程遠くなっていく
同じ道を歩いていきたいのに
目の前に見える道は、真っ暗で――
この気持ちを受け取ってくれる人は
もう、どこにもいない
虚しさと切なさが
俺の心を壊していく



