太陽と月



以前なら、簡単に飯に誘ったりできた

それでも、そんな事ももうできない



彼女には家族があって

そして、お腹には赤ちゃんがいる




「諦めろって――・・・俺」




小さく呟いた言葉は

何故か遠くの方で聞こえる



会いたいのに会えない

まだ、こんなにも好きなのに

想いは今も、あの人で溢れているのに



一番に愛さなくていいから

お願いだから、側にいてほしい



だけど、追えば追う程遠くなっていく

同じ道を歩いていきたいのに

目の前に見える道は、真っ暗で――



この気持ちを受け取ってくれる人は

もう、どこにもいない



虚しさと切なさが

俺の心を壊していく