「うぅ...」
自分の不器用さに、とことん呆れる
なんだか猛烈に恥ずかしくって、思わず下を向くと
「貸して」
唐突にそんな声が聞こえて、顔を上げる
すると、私の持っていたナフキンをすっと取り上げて、もう一度広げた大西主任
「見てて」
「は...はい」
ニッコリと笑ってから、丁寧にもう一度薔薇を折り始めた大西主任
骨ばった男らしい手が何だか妙に色っぽい
ゆっくりと折り目を付けてから、最後に花開く様にナフキンを広げる
すると、大きな手の中に出来上がったのは、真っ赤な薔薇の花
「ね?」
ポカンと口を開ける私を見て、太陽みたいな笑顔で笑う主任
大きな猫目が垂れて、端正な顔が一気に幼くなる



