カツカツと私の腕を引きながら歩く大西主任
その大きな背中を見つめながら、さっきの言葉の意味を探る
それでも、頭の中はパニックで
一向にまとまらない
すると、急に足を止めた主任
その瞬間、ここがチャペルの中だと気が付いた
ゆっくりと離された腕がダラリと床目掛けて落ちて、ブラブラと頼りなく揺れた
すると
「俺...お客に向かって、何言ってるんだろうな」
綺麗に並べられたチャペルの椅子の背に腰かけた大西主任が自嘲気にそう言う
その瞬間、止まっていた私の頭が動き出す
「いえっ、嬉しかったですっ」
前のめりになってそう言った私の言葉を聞いて、ふっと少しだけ笑った主任
大きな瞳が柔らかく、優しく細められる
そして
「初仕事、成功おめでとう」
ゆっくりと椅子から腰を上げて、そう言った



