太陽と月



何度も何度も新郎新婦の2人と写真を撮った後、控室へとお通しする

すると




「瀬川さん」




ロビーに下りた所で、聞き覚えのある声が聞こえた



「南様!」

「お疲れ様」

「南様も、お疲れ様でした。大成功でしたねっ」

「瀬川さんの、おかげだよ」



きっちりとスーツを着た南様が、いつもの穏やかな顔で、話しかけてくる



そういえば、こうやって南様と会うのも最後なんだ..

とっても仲良くなれたのに、少し寂しいな

そんな事を思いながら、いつもと少しだけ雰囲気の違う南様を見つめていると




「自惚れじゃなかったら、寂しいって思ってくれてる?」




首を微かに傾げた南様が、少しだけ目を細めてそう言う



「えっ? どうして分かったんですか?!」

「ぶっっ!! 本当素直だね~瀬川さんは」



思わず図星を突かれた事に驚いて声を上げた私を見て、吹き出して笑い出した南様

ケタケタと笑うその姿を見て、私も思わず笑顔になる