太陽と月



またミスする所だった...

そう思うと、冷や汗がでる



そして、そんな事があると、まだどこかに見落とした部分があるんじゃないかと一気に不安になる

バサバサとポケットから打合せ表を取り出して、食い入る様に見つめた

すると




「例え、見落とした部分があっても俺がフォローする」

「え?」

「ずっと会場にいるから。安心しろ」




ゆっくりと紙から視線を外すと、そう言って微かに微笑む大西主任が私を見ていた

その声と、その言葉に、一気に不安が抜けていく




「絶対成功させるんだろ?」




言葉を無くした私に、そう言って小さく溜息を吐いた主任

そして自分のポケットからも、私の持っているものと同様の打合せ表を取り出した



普通担当者以外は、簡単な進行表しか持っていないのに、まるで担当者の様にいくつも打合せ表を持っている

その紙の束を見て、なぜか胸が熱くなった



――やっぱり、好きだと思う

大好きだと思う




太陽みたいに温かい人

側にいるだけで、こんなにも胸が温かくなる




「はいっ!!」




私は、ガサガサと打合せ表を片付けて

満面の笑みで、そう言った