太陽と月




「あの..皆さんは?」



誘惑に負けてしまい、まだ冷たいお茶の蓋を開けて、ゴクゴクと喉に流し込む

その間キョロキョロと辺りを見渡したけど、先程までいた友人達の姿が見えない



駐車場かな?



そんな事を思っていると――




「あ~アイツらだったら、もう帰ったよ」

「え? あの相談っていいうのは..」

「う~ん・・・あれも実は嘘」

「嘘?」



悪びれずにそう言った南様に目を丸くして、言葉を落とす



ん? なんでそんな嘘ついたんだろ



不思議に思いながら首を傾げた私を見て、クスクスと笑う南様

そして、スタスタと私の隣を通り抜けて




「帰り、送っていく」




ポケットから取り出した鍵をちらつかせて、ニッコリと笑った