「本当ですかっ―――」
その言葉に胸が一気に高鳴って、思わず前のめりになってそう言った途端に我に返って、言葉を飲み込む
待て待てっ!!
今から南様の相談にのらなきゃでしょっ!!
こんな事してる場合じゃないっ
早く行かなきゃっ
「すいませんっ主任!! 私これから用事がっ」
「用事?」
「南様と会う約束をしてるんですっ」
「――今、打合せしてたお客様か?」
「はいっ、あ!! お待たせするといけないんで、私行きますねっ! 戸締りよろしくお願いしますっ」
バタバタと手元を動かしながら、早口でそう言う
明日やらなきゃいけない事を忘れない様に、走り書きでメモする
「すいませんっ!! お先に失礼しますっ」
「せが――」
「お疲れ様でしたっ」
そして勢いよく主任にお辞儀をしてから、事務所を飛び出した



