太陽と月



「上手に歩いている様に見えて、でも――そうでもないだろ。ただ周りから見たら、そう見えてるだけで」

「――」

「いろんな所で、みんな躓いて転んでる」



綺麗な切れ長の瞳が、ゆっくりと閉じて
また開く

瞬きすら綺麗なんだなと、思わず見惚れてしまう




「特に気持ちが落ちている時は、尚更」




そう言って、ゆっくりとその瞳を私に向ける星野支配人

真っ黒の綺麗な瞳が、じっと私だけを見つめている




「それに、誰でも始めはそうだろ。それでも、何度も何度も転んで立ち上がってる」

「――」

「俺も瀬川も道は違うけど、こうやって助ける事はできる」

「――」

「みんな、そうやって少しづつ進んでる」



そう言って、不敵に笑った