太陽と月



星野支配人の―――お嫁さん?

・・・お嫁さん―――??




「うえぇぇぇっ!!!!」



突然爆発した様に叫び声をあげた私に、一同目を丸くして、こちらを見た




「ほ! 星野支配人、結婚してたんですかっ!?」

「あぁ」

「でっでも! 指輪!! 結婚指輪!!」

「仕事中はしていない」

「え? 子供は」

「正真正銘、俺の子供だ」



パニックな私とは正反対に、いつもの調子でそう言う星野支配人

その隣では、さっきの女性がクスクス笑っている



「ごめんなさい。この人、いろいろ分かりにくいでしょ」

「い...いえ」

「はる、こっちにきなさい」



驚く程小さな顔に手を添えて笑う女性と

その女性の足に絡み付く息子であろう男の子を手招きする支配人




「ちなみに、悠理さんは以前ここでプランナーをしていたんだ」



目の前の麗しい家族を茫然と見つめていると、隣から大西主任が声をかけてきた



「そうなんですか?」

「えぇ、随分前に辞めてしまったけどね」

「ちなみに…旧姓は?」



一つの疑問から、思わずそう聞いた

何故かドクドクと心臓が鳴る

頭の中で警報が鳴る



聞いてはいけないと

警報がなる