太陽と月



「すっすいませんっ!!」




ものすごい勢いでお辞儀を繰り返す

もう、平伏す寸前まで



馬鹿! ドジ!! マヌケ!!!

信じらんない! 初出勤の日に遅刻するなんて! 

いつまで私の頭はバカンスのままなのよ!




「申し訳ございませんっ!!」

「あ~うん。大丈夫だから。とりあえず中入ろうか?」




何度も何度もお辞儀を繰り返す私を見て、少しはにかんだ笑顔を見せる大西さん




「頭上げて?」

「――はい…」



それでも最後はニッコリと笑って、今にも泣き出しそうな私を建物の中に案内してくれる

促されるままトボトボと歩きだした私に、太陽の様な笑顔を向ける大西さん




あぁ...時間が戻せるなら、戻りたい




今にも泣き出しそうな心を押さえて

綺麗な薔薇のアーチをくぐった




膨れ上がる不安と

自分のドジさにゲンナリしながら