「え...えっと」



まるで蛇に睨まれた蛙の様に固まる私

この気持ちは誰にも明かしてなかったし、明かすつもりもなかった



といっても、明かす様な友達が近くにいないんだけどね

まだ上京して間もないし、仕事が忙しくて家と職場の往復だけだし…



そう思ったら、話しを聞いてくれる人が目の前にいる事が急にとても嬉しく感じた




莉奈さんなら..いいよね

もう退社した人だし

お姉ちゃんだし




目をギラギラさせて私を見つめる莉奈さんにチラリと視線を送る

それでも、なんとも恥ずかしくて視線を外しながら、ゆっくりと口を開いた




「――お」

「お?」

「大西...主任」



小さく呟いた言葉は、頼りなかったけど

言葉にした事で、私の中の恋の花はまた少し大きくなった



それでも、目の前にいる莉奈さんは何も言わない



不思議に思って、顔を上げると

どこか複雑な顔で固まっていた




「莉奈さん?」

「え? あ、あぁ! 大西!? えー!! アイツのどこがいいの!?」

「…優しくて、温かい所」



あの太陽みたいに、周りを温かく包む笑顔と雰囲気

どんなに壁にぶつかっても、あの笑顔を見ると元気になれる